【だいじょうぶだよ、モリス】内容と感想|これは親を育てる絵本だ!
「どうやって子供と接したら良いのかわからない」
「言うことをきいてくれない。また育児でイライラしてしまった。」
そうやって、悩み、苦しんでいるお父さんお母さん。
偶然ですね、私もそうです。
でも、
これって偶然なんでしょうか?
だいじょうぶ、子供のことを真剣に思う親なら、きっとみんなそうです。
テレビ、雑誌など様々なメディアで紹介され、子育てに悩む親の救世主と名高い「だいじょうぶだよ、モリス」という絵本をご存知でしょうか?
今も本屋に行くと、一番目立つところにどーんと山積みされていて、利用した多くの親から大絶賛の口コミ・反響があるようです。
ということで、さっそく私も「だいじょうぶだよ、モリス」を購入し、我が子(5歳娘)と実践しましたのでレポートしていきます。
ベタ褒めは公式サイトだけで十分。毎度のことながら、人気があるからって何でもかんでも褒めすぎない正直レポートでまいります。
加えて、ただ読み聞かせをしても親が内容を理解していないと効果が出にくいので、そのあたりも合わせて紹介できればと思います。
「おやすみ、ロジャー」シリーズ第3弾!
- 「テレビで紹介され」
- 「本屋の目立つところに並べてある」
いやいや、そりゃあ効果のあるなしに限らずある程度は売れるでしょう…。
と、普段の私なら冷静に分析してしまうところなのですが、実は今回はちょっと違います。
なぜならこの本は、私が今も頻繁に活用し、信頼を置く「おやすみ、ロジャー」シリーズ第3弾だからなのです。
「おやすみ、ロジャー」とは?
ご存知ない方のためにおさらいしておきます。
「おやすみ、ロジャー」とは、読み聞かせるだけで子供がすぐ眠るという、心理学的効果も実証済みの「子供の寝かしつけ専用」の絵本です。
簡単なあらすじを申し上げますと、
親なら一度はぶつかる悩み「子供の寝かしつけ」を助けてくれる絵本で、上手に活用できるように工夫すれば本当にあっという間に子供が寝る絵本です。
購入当初はなかなか効果が出せず苦戦した私も徐々にコツを掴み、「おやすみ、ロジャー」による寝かしつけが娘にとっても「あたりまえ」「日常」となった今、本当に「5分足らず」で寝かしつけが完了します。
おやすみ、ロジャーの活用方法をまとめた私のレポートはこちら。
今回の「だいじょうぶだよ、モリス」は、そんな絵本のシリーズ「おやすみ、ロジャー」「おやすみ、エレン」に次ぐ第3弾ということで、非常に興味のある絵本でした。
「おやすみ、ロジャー」「だいじょうぶだよ、モリス」の作者は?
余談ですが、「だいじょうぶだよ、モリス」の作者は、カール=ヨハン・エリーンです。
スウェーデン在住の、心理学・言語学研究家です。NLPマスタープラクティショナーとしての一面もあり、前述の通り心理学を利用した絵本「おやすみ、ロジャー」シリーズの作者として有名です。
だいじょうぶだよ、モリス|効果
さて、第3弾を迎えるシリーズ絵本ですが、今回のテーマは「寝かしつけ」ではありません。
公式サイトの言葉を借りるならば、
とのことです。
寝かしつけ同様、育児でつまずく「あるある」とその解決策を網羅しているようですが、所感としてはあまりに多くを盛り込みすぎていて、「本当に効果があるのかな?」と言ったところでした。
だいじょうぶだよ、モリスの翻訳は?
これもこの絵本の話題の1つですが、今作「だいじょうぶだよ、モリス」の翻訳は、オリエンタルラジオの中田敦彦さんが担当しています。しかも、翻訳は初挑戦だそうです。
世論をすっぱ抜く発言で賛否両論が度々巻き起こり、様々なイメージを持たれている方ですが、学歴は「慶應義塾大学経済学部」と語学は達者でしょうし、もともとプレゼンテーション能力など伝える力に長けた方ですので、私は今回の翻訳内容に信頼を置いています。
だいじょうぶだよ、モリス|内容・ネタバレ
さて。ここからは「だいじょうぶだよ、モリス」の絵本の内容に触れていきたいと思います。
ネタバレの要素も含みますので、購入まで知りたくないという方は飛ばしていただきたく思います。
「だいじょうぶだよ、モリス」あらすじ
「だいじょうぶだよ、モリス」のあらすじを紹介します。
それでは月曜日から順に、どんな内容なのかをチェックしていきます。
月曜日:新しい環境への不安
夜、モリスは、突然泣き出します。明日から新しい保育園に行くのが「こわい」し、新しい友達ができるのか?一人ぼっちにならないか「不安」になってしまったのです。
そこへお姉さんが現れて、モリスに、自分の中のいろいろな気持ちや感情を「モノ」としてイメージする方法を教えます。
ストーリーの中では、モリスの不安な感情を「くるくる回転しているモノ」と例えます。
気持ちや感情を「モノ」としてイメージする事で、その感情を自分で好きなように動かしたり、コントロールできるようになり、遠心力でコースアウトするレーシングカーのように体の中からポーンと放りだします。
こうしてモリスは「こわい」「不安」といった感情も受け入れたりコントロールできるように成長します。
火曜日:さみしい気持ち
新しい保育園に登園した初日。先生も新しい友達もとても親切で良くしてくれるのに、泣き出してしまいます。
前の保育園の友達を思い出し、会いたくなり、寂しくなってしまったのです。
すると保育園の先生がモリスの隣に座り、モリスに「会いたいと思っている仲の良かった友達と楽しく遊んでいる写真」をイメージさせます。
そしてイメージした写真を心の中にしまわせます。
「これでその友達はずっと君の中にいるよ。」
と、言葉を添えます。そして今度は、新しい保育園の友達と楽しく遊んでいる写真をイメージさせます。
こうやって先生は、モリスが心の中で勝手に作り上げてしまったマイナスイメージ(新しい保育園の友達)を、プラスイメージに変化させる事を、「モリス自身」にやらせたのです。
モリスは泣き止み、新しい友達のところへ走っていきます。
水曜日:虫など苦手な生き物
水曜日、ママとお風呂に入っているモリス。と、お風呂場でクモを見つけて、驚き、怖がります。
するとママは、そのクモにティナという名前をつけて、そのクモの物語を話し始めます。
「ティナにはおばあさんがいます。これから寒い日がくるので、おばあさんはティナのために赤い靴下を8つ編んでプレゼントしました。喜ぶティナ。さらにおばあさんは、もしもそばに寒そうにしている友達がいたら、その手袋を貸してあげるのよ?と続け、ティナもわかったよと約束をしたんだって。」
そのあとで、モリスに「今日はティナは赤い手袋しているかな?」と問います。
モリスは「今日は手袋をしていないから、寒がっているお友達に貸してあげているんだね。」と答えます。
さらにママは、「ティナは歌に合わせて踊るのが得意なの」と続け、クモの歌を歌い始めます。
モリスにはティナがダンスしているように見えて大喜び。そしてモリスはもうクモが怖くなくなりました。
人が怖いと感じるのもの多くは「知らないもの」「未知のもの」であることが多いのですが、こうしてクモの物語を語ってあげることでその感情を払拭したのです。
木曜日:けがや痛み
木曜日、走り回っているとモリスが転んで膝を擦りむき泣き出してしまいます。
パパが泣いているモリスに近づき、「痛いのがどこかにいっちゃう方法」を知りたい?と聞きます。うなずくモリス。
するとパパは、そばを走っている自転車を見つけ、「モリスの痛いのをあの自転車のカゴにのせて運んで行ってもらおう」と提案します。
そして、モリスに質問をしていきます。
「その痛いのは何色?」「赤」「どんな形?」「サッカーボール」
というように、「痛いもの」をイメージしていきます。
そしてモリスに、「そのイメージできた赤くてサッカーボールの形をしたものを、あの自転車のカゴに入れてごらん」と提案します。
「痛いもの」はとうとう自転車のカゴに入り、そのまま自転車につられて遠く見えなくなってしまいます。
そのころにはすっかりモリスの膝の痛みもなくなっています(和らいでいます)。
「痛み」という目に見えないものをイメージさせ「自分の体」から遠ざけることで脳が痛みを感じなくなるメカニズムです。
日本でも古来からある「痛いの痛いの飛んでいけ」を、自分自身にやらせるという応用が含まれています。
金曜日:苦手な食べ物
保育園の給食の時間、モリスは「ブロッコリーが嫌い」と決めつけ、食べようとしません。
すると先生は、「これまで、嫌いだったのに急に好きになった食べ物はない?」
と質問をします。
するとモリスは得意げに「あるよ」と、その時のお話をしました。
先生は「すごーい!他にはそんなことなかった?」
モリスはまた「あるよ!」と、得意げに話しました。
他には?あるよ!
と、先生はモリスからたくさんの「食べられなかったものを食べられるようになった経験」を引き出します。
そして、「もしかして、ブロッコリーが食べられるようになるのは今日かも!」と提案します。
恐る恐るブロッコリーを口に運ぶモリス。そしてモリスは、自分がブロッコリーを好きだと発見しました。
脳は、モノに対して一度持ったイメージを継続的に持ち続けます。
先生は「モリスが持っているブロッコリーへのイメージを上書きする」方法で、好き嫌いを克服させたのです。
とくに食べ物の好き嫌いは「調理法」を変えたり、「形」を変えたりして食べさせることで、過去に食べた悪いイメージを上書きすることで解決することが多いのです。
土曜日:暗闇への恐怖
夜寝るときに電気を消すと、暗闇を怖がったモリスが嫌がります。
するとママは、「暗闇も、黒という色なのよ」と教えてあげます。
そして、
「暗くなった時も、部屋の中のおもちゃや服はまったく同じ色をしている」
「その色たちを頭の中で好きな色に変えたりして楽しんでみてもいい」
「最初は真っ暗でもだんだん目が慣れてくる」
「暗くしていると夜空の星をみることができる」
などを教えてあげます。するとモリスは暗闇が怖くなくなり、楽しめるようになります。
ママは「暗闇とはただの色」なんだとモリスに教え、さらに暗闇だからこその楽しみを教えることで、モリスが感じている暗闇への恐怖をなくしたのです。
日曜日:月曜日から土曜日のおさらい
日曜日、モリスは家族で公園に出かけます。
楽しく遊んでいると、高いところから怖くて降りられなくなってしまった子を見つけます。
するとモリスは「怖いって気持ちを手にとって、くるくる回転させて…」
その子は「こわい」を克服して降りることができます。
今度は、ブランコでクモを怖がる女の子を見つけます。
モリスは、「そのクモは、手袋をしていないから、きっと友達に貸してあげているんだね」
やがて女の子はクモを気にせず遊び出します。
今度はパパがジャングルジムから落っこちて足を痛めます。
するとモリスは「その痛いのはどんな色?どんな形?」
そしてパパの足の痛みは消えていきます。
こうしてモリスは、一週間で学んだことを実践することで、友達を助けたりしながら楽しい1日を過ごしていきます。
なにか問題が起こったときに、解決したり、軽減したりすることができるように大きく成長したのです。
だいじょうぶだよ、モリス|感想・実践
ここからは、私の「だいじょうぶだよ、モリス」読み聞かせ実践と、その感想を紹介していきます。
冒頭申し上げました通り、親が本書の意図を理解して読み聞かせないと効果は出にくく、「効果がでない」と諦めてしまいがちです。
おやすみ、ロジャー経験者は寝てしまう
先に私の失敗談から。
基本的に私は絵本の読み聞かせを寝るときに行っています。しかも、「おやすみ、ロジャー」です。
自分で言うのもなんですが、読み聞かせ、寝かしつけがプロの域に達しているので、この寝かしつけ専用絵本でない「だいじょうぶだよ、モリス」を読み聞かせても、子供がすぐに寝てしまうのです。
「やった!新しい絵本だ!!」とさっきまではしゃいでいた子供が、開始1ページで寝てしまうということが連日続き、私は寝る時間での読み聞かせは諦め、休みの日にリビングで実践しました。
小さい子供には噛み砕いた説明が必要
私がこの「だいじょうぶだよ、モリス」を始めてまともに子供に読み聞かせをした時の感想は、
「ちょっと子供には難しすぎるのではないかな?」
というものでした。
例えば、不安になって泣き出したモリスにお姉さんが、
「ぜんぶの気持ちがあなたの体の中でくるくる回転しているの。それがたまに体から飛び出しちゃったりするの」
という文があるのですが、読んでいるだけではこれが娘には最初しっくりきていないようでした。
そして子供は内容が理解できないと集中力を欠き、他のことを始めてしまいます。
そこで私が行ったことは、読み聞かせだけでなく自分なりにアレンジをし、実際に胸のあたりで手をくるくる回転させてみせて、これが「こわいっていう気持ちね?こうやってくるくる回っているんだということを想像してみて。」と、できるだけ絵本の内容がわかるように噛み砕いて説明しました。
そうすると娘もついていけるようになり、徐々に絵本の世界に入り込めたようでした。
また、絵本の世界に入り込みやすくするために、「保育園→幼稚園」「パパ→お父さん」など、その子の環境に合わせて本の内容を読み変えてみるのも効果的です。
読んだら実践、そして復習
先日、娘が盛大に転びました。
コンクリートで膝を擦りむき、消毒などの手当てをした後も泣き止みません。
最初は私も慌てていて、「だいじょうぶだよ、モリス」のことをすっかり忘れていたのですが、ふと思い出し
「あ!ねえねえ、モリスの話を思い出してみて。今、膝の痛いって気持ちは何色?」
すると娘もそのお話を思い出し、
「青!」
とすぐ答えました。
そして「どんな形?」「遠くのゴミ箱に捨てちゃおう!」と続けました。
子供は一生懸命イメージをしていました。
そうしているうちに、いつの間にか泣き止み、痛みもだいぶ和らいだようでした。
後日、「だいじょうぶだよ、モリス」の、怪我の痛みを解決する項目を読んだときに、娘が
「あ!この前これやったよね?あー、どんな音がするのかを考えるの忘れてた」
と、思い出していたのが印象的です。復習をすることでさらに効果を高めるようです。
反復法で効果が高まり、徐々に上手になっていく
この「だいじょうぶだよ、モリス」に関して言えることは、一回では効果が出にくくとも、何度も繰り返し、実際に同じような体験をし、学んだことを実践、そしてまた絵本で復習という反復法をしていくことで、かなり高い効果が望めるなと思いました。
また、子供本人も、何度も繰り返すことで徐々にイメージするのが上手になっていきます。
無理をしない、でも諦めない
この「だいじょうぶだよ、モリス」を実践する上で大切なことは、「無理をしない、でも諦めない」ことです。
これは「おやすみ、ロジャー」でも同様です。
前述の通り、最初は理解すらできなかった娘に、噛み砕いて読み聞かせることで理解が深まりましたが、本人が嫌だと言っている時に無理に続ける必要はありません。
「すぐに好き嫌いをなくしたい」と焦ったり、「モリスはできたのに!」とできない子供と比較してしまったりすると、それが子供のプレッシャーになり、この本自体を嫌いになってしまいます。
本書でもありましたが、「悪いイメージ」を一度持ってしまうと、それを「良いイメージ」で上書きをしてあげる必要があります。
これはなかなか大変なことですので、子供の調子の良いときに気長に、諦めず、ゆっくりと読み聞かせを進めていくことをおすすめします。
「だいじょうぶだよ、モリス」に度々出てくる、魔法の言葉「だいじょうぶだよ」を上手に使い、お子様と一緒に親も成長していきましょう。
だいじょうぶだよ、モリス|対象年齢
だいじょうぶだよ、モリスの対象年齢を心配している方がいらっしゃるようですが、言葉を理解出来るくらいの年齢になれば十分効果が望めます。
モリスは保育園児ですが、小学生でも低学年なら十分に聞ける話だと思います。
また、小学校高学年や、中学生でも「おもしろいから読んでごらん」と紹介すれば、非常に良い経験になるでしょう。
そしてなにより、この絵本は大人、親にこそ読むべき教科書だと思います。
現代社会で心にストレスを感じたり、育児で悩んでイライラした時に、その感情を「モノ」とイメージし、体の外にぽーんと弾き出せたなら、どんなにか素晴らしいでしょう。
作者のカール=ヨハン・エリーンは、心理学者です。実は本書と同じ方法で、多数の大人の心も救ったそうです。
だいじょうぶだよ、モリス|口コミ
だいじょうぶだよ、モリスの公式サイトより抜粋で口コミを紹介いたします。
だいじょうぶだよ、モリス|通販
最後に、「だいじょうぶだよ、モリス」の通販を紹介します。
もちろん本屋の絵本コーナーに行けばありますが、せっかくなら楽天ポイントをつけて買ったほうがお得ですので是非お役立てください。
だいじょうぶだよ、モリス|楽天
楽天はこちら→だいじょうぶだよ、モリス「こわい」と「いやだ」がなくなる本
こちらもチェック→おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本
きっと、日々育児に追われるみなさんの助けになってくれる本です。是非ご活用ください。
育児で悩んでいる親はあなただけでしょうか?
だいじょうぶ、子供のことを真剣に思う親なら、きっとみんなそうです。
それでは。
こちらの記事も人気です↓
コメント