「万が一」が、
万が一ではなくなったこの時代。
災害を目の当たりにしてから、「備えあれば憂いなし」と思い出しても、時間が戻ることはない。
それは、うだるような暑い季節かもしれないし、凍えるような寒い季節かもしれない。あるいはそれは、5分後かもしれない…。
ライフラインが復旧するまでの時間を、避難所や自宅でしのぐために、防災グッズの準備は必須です。
今回は、必需品から、意外に知られていない便利グッズまで、おすすめの防災グッズを紹介していきます。
【防災グッズのおすすめは?】必需品と、実はあると役立つアイテム
南海トラフ地震、首都直下型地震が広くメディアで報道されて以来、地震災害に対する意識は多くの方がお持ちかと思います。
しかし、日本に住む以上はそれだけでは足りないのだと言うことを、6月28日の西日本豪雨や、今季、猛威を振るった台風が示しています。
ここ数年の日本では、幾度となく「まさか」の事態が発生しているのです。
自然災害危険都市ランキング
以下は、2013年、スイス再保険会社が発表した自然災害危険都市ランキング。
自然災害危険都市ランキング | |
1位 | 東京・横浜 |
2位 | マニラ(フィリピン) |
3位 | 珠江デルタ(中国) |
4位 | 大阪・神戸 |
5位 | ジャカルタ(インドネシア) |
6位 | 名古屋 |
7位 | コルカタ(インド) |
8位 | 上海(中国) |
9位 | ロサンゼルス(アメリカ) |
10位 | テヘラン(イラン) |
世界616の都市を、
- 地震地帯
- 津波の危険性
- 洪水の危険性
の3点に着目した調査結果です。
なんと、日本の都市が3つもランクインしているではありませんか。私たちの住む国は、そういう国であることを肝に銘じておかなくてはなりません。
加えて前述の通り、今の時代の不安材料は地震だけではありません。
水害の危険性が高い日本の16エリア
最近は台風や豪雨による水害が取り沙汰されています。
- 神奈川県川崎市武蔵小杉
- 神奈川県横浜市
- 神奈川県川崎市
- 埼玉県さいたま市大宮
- 千葉県船橋市
- 東京都北区赤羽
- 東京都千代田区
- 東京都世田谷区二子玉川
- 愛媛県名古屋市
- 愛媛県豊橋市
- 愛媛県刈谷市
- 愛媛県一宮市尾張一宮
- 兵庫県西宮市
- 大阪府大阪市梅田
- 大阪市天王寺区
- 大阪府吹田市
上記は、国内でも人気のエリアでありながら、特に水害の危険性が高い16エリアです。
また、地名には歴史的意味を持っています。自分の住まいの地名に、「桃」「栗」「蛇」「竜」「猿」などが入っている場合、過去に水害が起こった土地である可能性があるので一度調べてみましょう。
これまであまり意識してこなかった集中豪雨による水害も勢いを増し、床上、床下浸水や土砂災害、電気、水道、ガスなどライフラインの分断も懸念されます。
皆さんも自分の住まいがどのようなエリアなのかチェックしてみてください。地盤サポートマップという便利なサイトがあります。
これから家を建てる予定の方も確認しておきましょう。
なぜ防災グッズは必須なのか?
さて、これまで発生した災害では、その度に比較的早い段階で救助や救援物資などが手配されていたように思います。
ですから、万が一の場合でもそちらに頼ることができると安心している方も多いかもしれません。
しかし、もしも自然災害が東京・横浜で発生した場合、およそ2900万人に影響が出ると予測されています。日本の人口に照らせば、実に4人に1人です。
これだけ多数の被災者に、本当に十分な支援物資を確保できるでしょうか?
ライフラインはおろか、食料や仮設トイレ、まともな水分すら十分に供給されないことは容易に想像ができます。
避難所で「もっと水をくれ!」と怒鳴り散らしても、「金を払うからありったけの食料をくれ」と懇願しても、ないものはないのです。
さまざまな理由から、避難先で命を落とす方もいるのが現実です。
だからこそ私たちは、自分の命を自分で守る為、自分で災害対策をしておく必要があるのです。
防災グッズ選びのポイント
防災グッズと言っても、種類はさまざまで、一体どこまで揃えたらいいのかキリがない印象です。
おまけにまともなグッズを揃えようとすれば価格・コストもかかってきます。
それゆえ、財布と相談しながら、どれにしようかと悩んでいる間に、面倒になり、「いいや、また今度。」と断念した方もいると思います
防災グッズ選びのポイントは、命に関わるものにはお金をかける。そして、それ以外は100円均一のもので十分です。
2018年9月6日、北海道ではこれまで計測されたことのなかった震度7を記録しました。
このように、これまで以上の災害が発生している中、例えば家具を固定する耐震グッズを安物で済ませることは賢明ではありません。
逆に、軍手やウエットティッシュなどの消耗品や日用品は、安物をまとめ買いしておくだけで十分です。
それでは早速、次の項目からどのような防災グッズが必要なのかチェックしていきましょう。
水|おすすめの防災グッズ
最低限、これだけは絶対に必須だという防災グッズの1つが「水」です。
生きる為に絶対に必要になる「飲料水」と、身体を拭いたり、場合によってはトイレに使用する「備蓄水」の両方が必要です。
水は避難所でもらえると思っているかもしれませんが、給水所の長蛇の列に数時間並んでも、満足のいく量を貰えないケースがほとんどだそうです。
また、仮に貰えたとしても、今度は運搬の問題が発生します。水は、とても重いのです。
「飲料水」であれば、安いペットボトルの水を1ケースほど保管しておけばよいでしょう。何年も保管できる高額な水もありますが、安いもので構いません。ある程度保管したら、新しいものと入れ替え、古くなったものは順次普通の生活で使用するのがオススメです。
防災グッズをどこにしまったのかを定期的にチェックできるので、万が一の混乱した状況でも思い出せるといった効果もあります。
一本50円以下で手に入るクリスタルガイザーあたりがおすすめです。
「備蓄水」に関しては、わざわざ買わなくとも、空のペットボトルに水道水を入れておけばOKです。
ヘッドライト|おすすめの防災グッズ
懐中電灯があるからと、あまり準備されていないことが多い防災グッズが「ヘッドライト」です。
しかし、実はヘッドライトは非常に重要なおすすめの防災グッズなのです。
災害時の周辺を想像してみてください。
地震ならば瓦礫の山、水害ならば水流がいたるところにできています。
そんな不安定な道を、片手に荷物、もう一方に懐中電灯と、両手がふさがった状態で歩くことは困難です。
小さなお子様をおんぶや抱っこしたりしなくてはならない場合も、やはり懐中電灯の使用は困難です。
ヘッドライトならば手を開けられるので、両手でバランスをとりながら安全に移動できたり、小さなお子様をお持ちの方は手を繋いで移動することもできるのです。
雑誌などで紹介されているのは、GENTOSの「ヘッドウォーズ」シリーズ。かなり明るく、しっかり固定されるので、夜間に走って逃げることも可能。
懐中電灯|おすすめの防災グッズ
防災グッズの定番であるのが懐中電灯です。これがあれば、停電時でも自宅での夜の生活が非常に良くなります。
特におすすめは、LEDタイプの懐中電灯です。電池持ちが良く不安が少ないことと、コンパクトで長時間の使用でも疲れない軽量タイプがオススメです。
最近では、ズーム機能が搭載されているものもあり、普段は手元足元を柔らかく照らし、必要に応じで遠くをはっきり照らすことができる商品が人気です。
また、防水・防塵機能が備わっていればさらに安心です。
価格が1000円ほどで評価が高いのは「Lemanco」。
防災アプリ|おすすめの防災グッズ
防災グッズではありませんが、便利なアプリを2つ紹介します。どちらも無料ですので安心の為に入れておくと、万が一の時に非常に役に立ちます。
防災情報 全国避難所ガイド
こちらのアプリは、自治体が定めた避難所を地図上で表示してくれます。災害直後は通信がつながりにくくなることがありますが、こちらの「防災情報 全国避難所ガイド」は、オフラインの状態でも表示できるのがポイントです。安否情報の確認もできます。
Yahoo!防災速報
自分の住んでいるエリアを登録しておくと、様々な災害をプッシュ通知で知らせてくれます。災害はもちろんのこと、ゲリラ豪雨や熱中症の情報ももらえるので、インストールしておけばなにかと安心です。
モバイルバッテリー|おすすめの防災グッズ
前の項目ではスマホアプリを紹介しましたが、そもそもスマホの電池がなくなってしまっては意味がありません。
被災者たちが当時を振り返った時に口を揃えて言うのは、「情報が欲しかった」ということ。いま、自分たちがどんな状況にあり、どんなことをすべきで、いつになればこの事態が解消するのか?
安否確認やそれらの情報を取得するのに活躍してくれるスマートフォン。
避難所などにはdocomo、au、Softbank、いずれも緊急の充電機を貸し出すこともありますが、確実ではありません。また、自宅で避難生活を過ごす人には必須アイテムになります。
商品選択のポイントは、バッテリー容量が大きいことと、かさばらないこと。雑誌では、Poweraddの「Pilot X7」が推奨されています。
非常食|おすすめの防災グッズ
水同様、生きるために欠かせないものが「食べ物」です。
やはり避難所で支給されたり、炊き出しがあったりと想定されている方も多いかと思いますが、2900万人が被災した場合、それだけの食料を緊急的に手配できる事を期待するのは無理があります。
少なくとも2、3日分は自力で手配しておくことが大切です。
また、支給される量も同様に、満足のいくボリュームではないと想定しておくべきです。
ここでは多数の雑誌で「とにかく非常食とは思えないおいしさ」と口コミ評価されている、西尾食品の非常食を紹介しておきます。保存は5年間です。
非常食に美味しさは必要ですか?と思うかもしれませんが、被災している時こそ美味しい食事は心に潤いをあたえてくれるものです。
携帯トイレ|おすすめの防災グッズ
忘れてはならないのが携帯トイレです。
被災地にはこれまでも仮設トイレが設置されてきましたが、かなりの混雑が予想されます。
また、非常に多くの人が利用する事を想定すれば、衛生面、感染症などの心配事も出てきます。
そういった事を理由に、トイレを利用しなくてもいいよう、あまり食事を摂らない、水分補給を避ける方も続出し、健康面に問題が出たケースもあります。
仮に自宅で過ごす場合でも、断水状態ではトイレを利用することは困難です。
こういった場合に備え、携帯トイレも必ず準備しておきましょう。
商品選びのポイントは、消臭性と汚物処理の簡単さです。おすすめはコクヨの袋式トイレ。自宅のトイレにそのまま設置できるのが嬉しいところです。
カセットコンロ|おすすめの防災グッズ
一般家庭にはあるかと思いますが、カセットコンロはあるだけで非常に便利です。
お湯を作ることができますので、温めてお風呂代わりに身体を拭いたり、寒い時期には暖を取ることも出来ます。煮沸消毒もできますので、衛生面で心配な場合でも役に立ちます。
ガスボンベの予備をやや多めに備蓄しておくと良いでしょう。
どんなものでもいいですが、商品選びのポイントは、薄くかさばらないことです。
救急セット|おすすめの防災グッズ
大規模な地震が発生した場合、揺れによる転倒などはもちろん、足場の悪い被災地への道中でも怪我のおそれは高くなります。
悪化や、膿、感染症の恐れがありますので、しっかり消毒し、患部を保護できるように、消毒薬、絆創膏、包帯、ガーゼは必ず備えておきましょう。
コンパクトな携帯しやすいセット品があると便利です。
液体歯磨き|おすすめの防災グッズ
被災中は水が貴重品になりますので、困るのが歯磨きです。
数日間の避難生活で歯磨きができないのはなかなかの苦痛です。
しかし、液体歯磨きがあれば、水がない場所でも、口をゆすぐことができて便利だという声があります。
あまり大容量ですとかさばったり、重くなってしまうので、コンパクトなものがオススメです。
ラジオ|おすすめの防災グッズ
スマートフォン同様、情報を得る為に非常に便利なのがラジオです。
手巻き充電式のラジオなら、電池の持ちを心配せず保管しておけますが、手巻きもなかなか大変です。
商品選びのポイントは、手巻きだけでなく、乾電池やソーラー充電もセットになっているものが便利です。
加えて懐中電灯の機能が付いているとベストです。
おすすめの防災グッズリスト
最後に、非常用持ち出し袋に入れておくべきものをリストアップしておきますので、ぜひご自宅の避難袋と中身を照らし合わせ、もしも足りないものは追加しておきましょう。
どれも、実際に被災した時に、「あって良かった!」と痛感するアイテムです。
- 飲料水(ペットボトル500ml×2本)
- 非常食
- 医薬品、マスク
- 衣類・替えの下着
- アイマスク
- 耳栓
- 懐中電灯
- 携帯ラジオ
- スマホ充電機
- 現金
- 歯磨きグッズ
- 雨具
- タオル
- 洗面道具、石鹸
- ティッシュペーパー
- ウェットティッシュ
- ビニール袋
- 風呂敷
- 筆記用具
- お薬手帳
- 軍手
- ナイフ・ハサミ
- 布ガムテープ
- ローソク
- マッチ・ライター
- ロープ
- ビニールシート
- 簡易食器セット
- ヘルメット・防災ずきん
- ラップ・アルミホイル
- 使い捨てカイロ
※一人分ですので、家族の人数に合わせて量を調整してください。
※女性は生理用品、乳幼児にはオムツなども必要
こういったものが一式そろった、防災セットも販売されていますのでチェックしてみてください。
おすすめの防災グッズまとめ
ということでおすすめの防災グッズを長々と紹介してまいりましたが、いかがだったでしょうか?
ほぼ間違いなく発生するであろう首都直下型地震。そして想像を絶する昨今の自然災害から自分を守ってくれるのは、今のあなた自身です。
大切な命、大切な家族のためにも重い腰を上げ、面倒でも防災グッズを万全に備えましょう。
それでは。
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