【笑説】憧れの女の子の部屋(第3章)

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女の子の部屋「まあいいや、自慢の料理を振舞いますから。とりあえずそこに座ってて。」

僕は指定された場所、トラの頭の上に正座する。僕はトラの頭の上で改めて部屋をぐるりと見渡す。窓を境にして左側にはCDラックと本棚、その上にコンポ、右側には奥からテレビ、が置いてあるだけ。全体的に白を基調としたシンプルな雰囲気で、ぬいぐるみはこのトラぐらいなもんだ。女の子らしいところは何もなかった。

うーーん。実際はこんなもんなのかな・・・。そうして僕は大きく伸びをする。伸びをしたときに蛍光灯のヒモの先端に首を吊ったガイコツの人形が飾られているのを見つけて、

観なかったことにした。

退屈なので何かCDでも聴こうかと思う。

「ねえ!なんか音楽聴いてもいいかな?」
「いいよ~。」

デス・キッチンから彼女の声が聞こえる。僕はCDラックに一通り眼を通すと適当に一つ選んでCDのふたを開ける。と、中にジャケットとは別のCDが入っている。

やれやれ、入れ間違えたのかな?僕は中のディスクと合うジャケットを探し出し、ふたを開ける。
すると中には、また別のCDが入っている。

・・・・・。

一瞬固まったが、またそのCDに合うジャケットを探し出し、開けるとまた別のCDが出てくる。

いよいよテンパって来る。

あれよあれよと結局20枚目、これで全てのCDをあるべき姿に戻してあげることが出来る。そして最後のパッケージを開ける。

カラだ。

気絶しそうだ。僕はなにもなかったことにして、CD片付ける。

「え?なにやってるの?」

後ろを振り返るとエプロン姿の彼女が立っている。

「ゴメンゴメン、なんか違うCDが入ってるから直してたとこ。」
「ダメだよ直しちゃ~。それはそうなってんの!」

え?どうなってんの?

「まじで?全部直しちゃった。」
「もー、言ってよ~。」

何を?

「つ~か、このジャケットのCDだけ中身がないんだけど、どこにあるのかな?」
「ココだよ。」

彼女はテレビの下にある映画らしきDVDの箱をパカリと開けると、その中からそのCDを出した。

「ありがとう。」

僕はこれ以上CDラックをいじるのはやめようと誓う。CDをかけながら漫画でも読もうかな。

「本読んで良い?」
「良いよ~。」

デス・キッチンから彼女。僕は漫画の棚に目をやって、また異変に気づく。今度は巻数の順番どころか漫画の種類までばらばらに並んでいる。

僕は学ぶ人間だ。

「ねえ?この漫画本の並びってなんか意味ある?」
「面白い順。」

なるほど。それは便利だ。

こち亀の32巻よりもコナンの12巻の方が一つだけ面白いんだ。
こち亀の32巻よりもブラックジャックによろしくの2巻の方が一つだけ面白くないんだ。

栄えある1位は、
ベルセルクの3巻。
こんなに長く連載されているのに、彼女の中のピークは3巻だったんだ。

そして残念ながら彼女ランキングの最下位は、
ジョジョの奇妙な冒険の1巻だった。

1巻が面白くなかったら、2巻は買わなければ良いんだ。

僕は彼女にアドバイスをしようとしてやめた。そんなことを言ったら僕はこの棚の一番下の段の一番右側に詰め込まれることになる。

僕はなんとなく第3位にランキングされている本を取り、トラの上で読むことにした。

ジョジョの奇妙な冒険3巻
3巻で一気に巻き返したのか。ダメだ、集中できない。5ページ読んで棚に戻す。

第3位のところに本を戻すときに第4位にランキングされている本が目に入る。

ホルムンクス。

ん?

ホムルンクス?

ああ、

ホムンクルス。

第3巻。

第3巻が上位ランキング独占状態だ。日本中の漫画家さんに、第3巻は特に力を入れるよう教えてあげたい。

僕は本を読むのをやめてトイレに行くことにする。僕はデスキッチンにいる彼女に尋ねる。