【来るスマ美容師とは?】メリットとデメリットを分かりやすく解説
私の友人で、独立して美容師をしている友人に話を聞けましたので、「来るスマ美容師とは?」をわかりやすくまとめました。
介護業界の需要が高まる昨今、2018年も同じように業界は介護業界に注目をしていますが、その中でも注目をされているのがまさに「来るスマ美容師」です。
来るスマ美容師とは?
「スマイルを届けに来る美容師」の略。美容室に足を運ぶのが困難な高齢者などのために、家や施設に来てくれる美容師のことを指します。2018年トレンド予測キーワードに選ばれますますそのブームは加速しています。
従来、美容師は美容室にてお客様の来店を待つというのが常でした。その中で、腕の立つ美容師、あるいは人気のある美容師は「カリスマ美容師」と呼ばれ、予約で何日も待たなくてはカットすらしてもらえないという、まさにカリスマ的な存在もブームとなりました。もちろんその波は今も続いていますが、一方でお客様はというと、ずっとその波に乗れないという状況が出てきます。それは、高齢です。
高齢化社会が進む中、当時カリスマ美容師にヘアアレンジやカットしてもらっていた世代も時の流れとともに高齢になり、足腰や体力の限界、あるいは施設の状況により好みの美容師にカットしてもらったりすることが困難になりました。しかしながら、人間は体こそ老いていっても、脳はしっかりしています。若い頃から美容・理容にこだわりを持ち愛してきた人にとっては、たとえいくつになろうとも美へのこだわりは潰えぬものです。
そこで台頭したのがまさにこのスマイルを届けに来る美容師「来るスマ美容師」なのです。私の友人もまさにこのうちの一人で、独立しフリーの美容師になってまだ間もないですが、さっそくこの分野に取り組んでいます。
来るスマ美容師のメリットは?
メリットについては以下の二つの質問と回答でおわかりいただけます。
美容室・ヘアサロン(美容室・理容室)への質問
- 取り組み中 12.6%
- 取り組みたい意思がある 31.8%
- 予定なし 55.6%
※(株)リクルートライフスタイル ホットペッパービューティーアカデミー調べ
65-74歳女性(現在美容室利用者)への質問
- とても利用したい 14.5%
- まあ、利用したい 42.6%
- どちらともいえない 34.8%
- あまり利用したくない 6.1%
- 全く利用したくない 2%
※(株)リクルートライフスタイル ホットペッパービューティーアカデミー調べ
来るスマ美容師のメリットを分析してみる
まず驚くべきは一つ目の美容師への質問の回答です。
数年前ではそんな言葉を耳にすることもなかった「訪問美容」に取り組んでいる、検討中の美容室は、実に40%超えで、急増しているということです。これだけ、美容業界にとっても高齢化の波は無視できない状況になっているということが伺い知れます。以前のように、「腕はあるから俺の店に来い」なんていうスタイルは、少子高齢化の時代にはマッチしません。
驚くべき二つ目のポイントは、高齢者の美意識の高さです。
数値を見ればそれは一目瞭然で、今後自分の体が原因で美容室に行くことが困難になった場合、訪問美容があるのならば利用してみたいという方が実に50%超えです。私の妻もそうなのですが、「いくつになっても女は女。少しでも身だしなみ、美しさを追求していたいという思いは強いから、将来絶対に利用する」と言っています。同じような考えの方は多いのではないでしょうか?また、最近ではメンズエステなど、男の美容指数も上がってきていますので、「男だっていつまでも綺麗でいたい」という存在も増加してくることでしょう。そうなれば、ますます訪問美容「来るスマ美容師」の需要は拡大してきます。
このように、二つの回答を見るに、需要と供給のバランスが非常にとれていて、「来るスマ美容師」がこれからの時代に流行することは間違いなしと言えます。
「いつまでも美しくありたい」と願うお客様と、「介護業界に参入し顧客の裾野を伸ばしたい」と考える美容師が出会ったときに、スマイル(笑顔)が生まれることは双方間違いありません。
来るスマ美容師のデメリットは?
メリットばかり取りざたされる「来るスマ美容師」ですが、デメリットはないのでしょうか?
残念ですが、友人のお話を聞くとあるようです。
「来るスマ美容師」美容師側のデメリット
「来るスマ美容師」の美容師側のデメリットは、単純に美容師の時間と体力が消耗されるということです。なら辞めればいいではないかという声も上がりそうですが、数値にも出ているように、少子高齢化は進み、店舗への来客は下降傾向にある上に、「来るスマ美容師」を実施する店舗が増えれば、少し歩けば美容室に行ける高齢者までも実施している店舗へ依頼を申し出るという傾向に陥り、「来るスマ美容師」未実施店舗の客数はますます減少の一途をたどってしまうことです。
かといって、無理に「来るスマ美容師」に参入すれば、訪問の間は人員が欠けてしまうという状況が発生します。チェーン店ならまだしも、個人店では一人の欠員は大きな穴となってしまいます。結果的に労働時間を伸ばしたり、休みの日を減らすことを余儀なくされ、美容師の働き方は今よりも過酷に、過重労働へとつながる危険性がともなうことがデメリットと言えるでしょう。
「来るスマ美容師」顧客側のデメリット
「来るスマ美容師」の顧客側のデメリットは、周囲環境への影響が考えられます。「来るスマ美容師」の料金は、当然ですが施設などで行ってもらえるいつものヘアーカットよりも高額です。当然ですが利用者には貧富の差が出ることは言うまでもありません。もちろんお金の使い道は自由ですし、美容のために貯蓄をしている方なら胸を張って受けるべきサービスなのですが、興味があってもそれを受けられない状況にある方にとっては、平等性に欠くサービスと捉えられがちです。ましてやこれからの時代、ますます貧富の差が顕著になります。そんな中、同じ施設の利用者間で美容面であまりにも差が出てしまうことは、利用者間の関係をどのように変化させていくのかを無視することはできません。
様々な問題で困難かもしれませんが、例えば料金は介護施設や国、市町村が負担し、その施設利用者は誰でもこの「来るスマ美容師」のサービスを受けられるなど、施設で統一のサービスにするなどの工夫をしていただきたいものです。
来るスマ美容師のまとめ
まさに少子高齢化の波を、そして超高齢化社会に直面している中で、あるいは「来るスマ美容師」は発明でもなんでもなく、必然的に生まれてくるサービスだったのかもしれません。客が減り、層を厚くして顧客を集めたい理美容側と、いくつになっても綺麗でいたいと願う高齢者の需要と供給がまさに合致し、2018年以降、確実に盛り上がるサービス、事業と言えるでしょう。
一方で、美容師の労働環境、サービス利用の可否に見られる貧富の差が顕著にならないための工夫など、まだまだ改善、改良、工夫の余地のある事業とも言えます。また、金目当てにご年配に群がる悪徳な美容師にも注意をしておかなければいけません。どんなサービスも、提供者の心が綺麗でなければ利益追求の悪徳サービスは生まれてしまいます。
あくまで「来るスマ美容師」は、「スマイル」を生むものでなくてはなりません。サービス提供者、そして利用者がどちらも「笑顔」になるためには、このサービスの提供者、さらにはそれを包み込む環境の中心に「心」があることが必須です。その一つさえ伴っていれば、「来るスマ美容師」は急速に拡大し、遠い未来まで人々の「スマイル」を作るサービスになることでしょう。
コメント