「なあ、春美ちゃん。俺、……、病気なのか?」
春美はゆっくりと首を振る。
「ううん。もう、大丈夫だと思います。」
「大丈夫?」
「専門的なことは分からないので、偉そうなことは言えませんが、夏美姉さんの件があって、私も色々と勉強したんです。解離性同一性障害。この病気の治療法は今のところ代表的なものは一つ。ISH、つまり生まれてくる人格と直接お話をして、もう出てこないようにずっと眠っていてもらえませんか?って交渉するしかないんです。」
「そんなことが?」
「にわかには信じがたいかも知れませんが、実際にそれで良くなった人がいるんです。ただISHは、消せば良いものでもないんです。なぜなら、それは本来の人格を守るために生まれてきたものだから。それを消すことで、場合によっては患者が精神的不安定に陥り、新たなISHを生んだりすることもあります。だからまずは本来の人格に安心と自信を与えることをしなくてはなりません。」
「俺は、大丈夫なのか?」
「大輔さんには、ISHが一つしかないそうです。あなたのお母さん。」
「母さん?」
「そうです。私の前にさっきまでいたんです。お母さんから色々聞きました。夏美姉さんの病気のことが心配だったんですね。自分に自信がなくなって、不安になって、それに姉さん達が火事で亡くなって、その犯人が友達で。おまけに私が春美で。」
「確かに心労は重なったと自覚はしていたけど。」
「それに、大輔さん、背中にあざがあるそうですね。小さい頃、お父さんにひどいことをされていたと聞きました。」
嫌な過去を思い出す。ずっと忘れようとしていたことだ。暴力のひどい父親で、母も自分も毎日のように辛い思いをしていた。せめて自分と母を守らなくてはと体を鍛え、十分にたくましくなった頃にはすでに父親の姿はなかった。その代わりに僕の背中には一生消えることのないあざが残った。
「うん。俺がしっかりしないとって、ずっと思ってきた。」
「小さい頃から責任感やら使命感やらに追われ、きっと大輔さんも気付かないうちに心に積もっていたんだと思います。この病気の患者の多くは、小さい頃に虐待を受けているそうです。きっと大輔さんはすでに予備軍だったのかとおもいます。」
「でも、治ったってこと?」
「はっきりとは言えませんが、ISHは自分だけだとお母さんが言っていましたし、お母さんはもう出てこないと言いました。」
「出てこない?」
「確かにそう言っていました。大輔は頑張り屋だからずっと辛い試練を乗り越えてきた。でも、さすがに今回は辛かったみたい。少しの間だけ助けてあげたけど、もう大丈夫でしょう。さようなら。って、消えていきました。」
「母さんが、そんなこと。」
「正しく言えば大輔さん本人の言葉です。あれは実際のお母さんではなくて、大輔さんが記憶の中で創り上げたお母さんですから。」
僕はそれを聞いて、三角形に折られたトイレットペーパーや、綺麗に洗われた灰皿や、丁寧に干されたTシャツを思い出す。すべて、母ならこうするだろうと思っていたことだ。
「でも、そんなことが。」
「そんなことがあったんです。事実、私は大輔さんのお母さんと話をしました。とても優しくて、しっかりしたお母さんだったんですね?」
「うん。すごく良い母さんだった。女手一つで俺を育てて。あんな父親だったけど、父親の悪口なんか一つも言わなくて、それどころかいつも笑顔で。俺が悪さして父親に殴られそうになったら、いっつも割って入ってきて、そのせいで体中にあざが出来てた。ある時我慢できなくて、父親に殴られる母さんをかばって間に入ったんだ。その時に殴られた俺の背中にあざが残って、それがなんだか母さんを守った勲章みたいで嬉しくて、馬鹿だから母さんに自慢したんだ。俺の体にも母さんと同じあざが出来たって。そしたらめちゃくちゃ怒られて、初めて母さんにぶたれた。すっげー痛かった。力のある父親に百回殴られるより、か弱い母さんの一回の平手打ちの方がずっと痛かった。よくわかんないんだけど、それでね、母さんを守らなきゃって思ったんだ。」
「亡くなってからも大輔さんの心を助けた。きっとお母さんは、大輔さんにとってかけがえのない存在だったのね。」
「でも俺は、いつまでも母さんに頼ってはいられない。もう母さんは死んだんだし、真実を知ることで不安もなくなった。これからはしっかりと自分の足で立って歩かなきゃ。」
「うん。そういうことだと思います。だからお母さんは、もう出て来ないと言った。それは、大輔さんが決めたことなんです。」
「そうだったのか。ありがとう。本当に。それから、ごめん。こんなに春美ちゃんにたくさんの優しさを分けてもらったのに、俺はまだ何一つ君にお返しを出来ていない。それどころか迷惑ばかり掛けてしまって。おまけにこの数日、辛い思いまで。」
春美はずっとうつむいたまま黙っていたが、ゆっくりと口を開く。
「良いんです。私、幸せだったから。」
「え?」
「もう、私の気持ち、知ってますよね?私の日記読んだんですから。」
「ごめん、そんなつもりはなかったんだ。ただ、真実を知りたくて……。」
「良いんです。大輔さんに読んでもらうためにあそこに置いていたんですから。死んでからでも良い、知って欲しかったんです。私の気持ち。」
「……。」
「ごめんなさい。勝手過ぎますよね。死んだ後で、残された人に全部置いていくなんて。だからほら、こうやって生き残って恥をかいてます。」
僕は何も言えない。どんな言葉を選ぼうか、という前に、何を思い何を伝えるべきかすら思いつかない。病室のドアがノックされる。春美と同時にドアの方に目をやる。
「どうぞ。」
と春美が言うと扉がスライドされ看護婦が入ってくる。回診だということで僕は一旦外に出る。ドアを閉めたところでふと気になり振り返る。入り口に、『坂本春美』と書いてある。なぜ気付かなかったのだ。僕は改めて夏美の死を理解する。特に行き場がないのでそのまま広間まで歩く。薄暗く、しんと静まり返った広間には、整然と並ぶ三人掛けの椅子が多数並んでいる。適当に端の方の椅子に座ると、大きな窓から夕日に染まった空が見える。時折コツコツという看護婦の歩く音が遠くに響く。僕の他に淡いブルーの患者衣姿の老婆が二人、寄り添うように座りながらひそひそと話をしている。なんの話をしているのかはわからないし、知ろうとも思わない。僕は何も考えず、ただ辺りを観察しながら時を過ごした。
広間からみえる夕日が燈から茜に変わると、僕は立ち上がり、春美の病室へ向かう。と、看護婦と春美が歩いてくる。
「あれ?もう、大丈夫なの?」
「はい。出来れば安静にって所なんですけど、もう大丈夫なので帰ります。お金のこともあるし、結局寝てるだけなら自分の部屋でも同じですから。」
「看護婦さん、大丈夫なんですか?」
「ええ、まあ、ご本人の意思を尊重していますし、先生の許可も出ましたから。ただ春美さん、先ほど言った様にあまり無理はしないように。」
「はい。すみませんでした。」
「そっか、じゃあ、家まで送るよ。」
「え?いいですよ。これ以上迷惑は掛けられません。」
「迷惑どころか、俺はまだ何にもお返しが出来てないんだ。それくらいさせてくれよ。」
「お返しなんて。迷惑掛けたのは私の方ですから。」
「言い合っててもしょうがないじゃないか。どうせ帰り道なんだから送らせてくれよ。」
「本当ですか?じゃあ、お言葉に甘えます。手続き済ませてくるんで少し待っていてください。」
「うん。分かった。駐車場に行ってるよ。」
「はい。分かりました。」
そう言って去っていく春美と看護婦を見送ると、僕は駐車場に向かい車に乗り込む。車内は相変わらずの熱気で、たまらずすぐにエアコンをつける。シートにもたれると、どっと疲れが出てくる。
いつの間にか眠っていたのだろうか、窓ガラスをコンコンと叩かれる音で目を覚ます。春美が外からこちらを見ている。僕はごめんごめんと片手でジェスチャーすると、助手席のロックを解除する。回り込んで春美がドアを開けて乗り込んでくる。
「もう、送ってくれるって言ったのに寝ているなんてひどいです。探しちゃったじゃないですか。」
「ごめんごめん。ついウトウトしちゃってね。」
「あ、そんな謝らないで下さい。ちょっと言ってみただけですから。送ってもらう身分で、しかもお疲れなのは私のせいですもんね。」
「いやいや、かまわないよ。」
と言って、ハンドルを握り車を発進させる。夕日は見えなくなり、いよいよ薄暗くなっている。大通りは帰宅ラッシュの車で埋もれ、そのうちの数台は早くもヘッドライトをつけている。渋滞の中をゆっくりと進むこの車の中に、会話はない。ラジオも音楽も必要ないと言われたから、ほとんど無音の車内にエアコンの風の音だけが聞こえる。春美はただ黙って助手席の窓に目を向けている。僕はなんとなく思いつくまま質問をする。
「春美ちゃんはこれからどうするの?」
一瞬こちらを向き、また窓に目を向ける。
「はい、さきほども言いましたが、まずは学校に行きます。」
「お金はどうするの?」
「お金は、あります。一応、遺族ですから。」
「あ、そっか。ごめん。」
「いえ、良いんです。」
そう言って間違えた質問をしてしまったことを悔いると、会話が途切れる。やれやれ困ったぞと思うが、車は相変わらずゆっくりとしか動かない。と、聞き覚えのある鼻歌が耳に届く。蚊のなくような、時に力なく途切れたりする鼻歌。そうだ、これは海の帰りに夏美が歌っていた鼻歌だ。僕は窓の外を眺める春美に目をやる。表情はみえない。今、彼女は何を思っているのだろう。そのうなじにホクロをみつける。
「双子ってさ、ホクロまで同じところに出来るものなの?」
「え?なんですか?急に。」
春美がこちらを見る。僕は目をそらす。
「いや、なんとなく。」
「一緒じゃないと思いますけど。覚えてないです。だって、大輔さんは自分の体のどこにホクロがあるか全部覚えてますか?」
「いや、覚えてない。」
「そうですよね。私もあまり、気にしたことはないです。」
「そっか。ごめん、変な質問だったね。」
そう言うと、また会話が途切れる。しばらくすると、また思い出したように春美は鼻歌を始める。
「ねえ、その鼻歌さ、なんていう歌?」
「鼻歌?ああ、これですね。名前はわかりません。」
「え?」
「小さい頃お母さんが歌ってくれた子守唄。もうほとんど歌詞も忘れちゃったんですけど、歌っていると、小さい頃を思い出すんです。優しいお母さんがいて、隣には夏美姉さんがいて、太陽のにおいがする柔らかい布団があって。」
「そうだったんだ。いい歌だね。夏美も歌ってたよ。」
「夏美姉さんも?」
「うん。一回しか聞いたことないけど、海の帰りに歌ってた。」
「へえ。夏美姉さんはいつも先に寝息を立てていたから、お母さんの子守唄なんか聴いてないのかと思ってました。」
「どうだろうね。寝ていても、きっと大切な思い出は記憶に残るのかもしれない。結局は誰でも、お母さんの子供なんだ。」
僕の脳裏に母親の笑顔が浮かぶ。その後、徐々に渋滞が緩和されスムーズに車が動き出す。間もなく春美のマンションがみえる。
「そろそろ着くよ。」
「はい、ありがとうございます。」
マンション前の通りに車を停め、車内灯を点ける。
「それじゃ、忘れ物だけしないようにね。」
「はい、大丈夫です。」
「オッケー。」
と言ってライトを消す。
「大輔さんは、これからどうするんですか?」
「え?俺?」
薄暗くて春美の顔が見えない。
「これからか、さあ、考えてもみなかったな。今までずっと、その日暮らしだったし、きっとこれからもそうだと思う。」
「夏美姉さんのことは、もう良いんですか?」
「良いも悪いも、死んだ人はかえってこない。そりゃあ悲しいけど、せっかく春美ちゃんが色々やってくれたんだ。俺も前を向いて生きなきゃ。今度、墓参りに行くよ。後で場所を教えてくれないか?」
「はい。わかりました。」
そういって春美はドアを開けて外に出る。
「……ほんとに、色々ありがとね。」
「いえ、私に出来ることをしただけです。」
「でも、ほんとに助かったよ。」
「あの、大輔さん。」
「ん?」
「返事、……、くれないんですか?」
「返事って?」
「……、私の想い。」
その言葉に車内が静まり返る。僕は頭の中で言葉選びをしたが、結局素直な気持ちを自信を持って伝える。
「ごめん。俺は、夏美が好きだ。春美ちゃんはとても魅力的な女性だと思う。でも、俺は夏美が好きなんだ。」
それを聞いて春美が答える。
「そう言われると思ってました。でも、なんかすっきりしました。結局私は、どうやったって夏美姉さんにはなれないんです。だから私は、これからはしっかりと春美を生きていきます。」
「うん。俺もだ。俺もしっかり自分を生きないと。」
決心をこめてそうつぶやくと、僕は春美に別れを告げて車を発進させた。
部屋に着き、ひとまず椅子に腰掛け、何の気なしにテレビをつけると、夏美の家の火事のニュースをやっている。今日の大柄な刑事のことを思い出し腹が立つ。彼は、伸介が新聞記事の中に俺が写っている写真を見つけて出頭したと言っていた。でも違う。伸介が出頭したのは、記事を読んで、死んだのが春美ではなく、夏美だと知ったからだ。それで俺に罪を感じ出頭したんだ。しかしなんだって放火なんてことをしたんだろう。到底そんなことをしそうなヤツには見えなかったが。まあ、世の中、そんなもんか。結局、見た目や表面だけでは人間はわからないものだ。そんなことを思いながらぼんやりとニュースを眺めていると、少し様子がおかしい。画面に『真容疑者逮捕か?』というテロップが出ている。マスコミのフラッシュを浴びながら警察の車に乗り込む男が歩いている。伸介じゃない。
「これは、あいつだ。あの、大柄な刑事だ……。」
まさかと思い僕はリモコンを手に取りテレビのボリュームを上げる。ニュースの内容を要約するとこうだ。あの刑事は伸介が何度か冬美の家の前にいるのを目撃していて不審に思っていた。そんな最中、冬美の家の前で、伸介が冬美に告白しフラれた現場に居合わせた。伸介は冬美が家の中に入った後、やや自暴自棄気味になって壁や電柱を殴っているのを目撃し、それを放置して冬美の家に火をつけた。その後、自分がこの事件の担当になり、敢えて捜査が難航しているように見せかけ、頃合をみてこっそりと伸介に電話をする。あの夜伸介をみたという情報が入ったと言い、心を揺さぶり、警察に呼びつけ、今日僕がされたような脅迫めいた言葉で巧みに供述させた。普段の伸介ならそんなことに惑わされはしないだろうが、冬美にフラれた夜、伸介はまるでうわの空と言った様子だった。記憶もしっかりとしていなかったんだろう。おまけに壁を殴ったりした記憶はあっただろうから、そこにあの刑事の言葉が畳み掛けられれば、自分がやったように思えても仕方ないかもしれない。すべてがあの刑事の思うがままになってしまったのだ。しかし一つ面倒なことが起こった。伸介が自ら出頭したことに仕立て上げたが、捕まるまで何をしていたかと言う問いに、新聞記事を読んでいたと言う返事が出た。当然刑事としてはなぜその記事を読んでいたのかを吐かせなくてはならないが、それについて伸介は一切答えない。おそらくはこの事にこれ以上僕を巻き込みたくなかったのだろう。あるいは少しでも春美と夏美の真実を知ることを遅らせたかったのか。いずれにせよあの刑事は焦った。その焦りが彼の行動を狂わせ、何かに結び付けようと、僕の所だけでなく、色んな所で誰かを共犯呼ばわりするような捜査をすすめたらしい。その捜査に腹を立てた人間から本部に依頼が入り、調べていった所、彼の犯行が明らかになった。動機は『難航する捜査を解決することで、出世したかった。』だそうだ。実にくだらない。彼の出世の為に夏美の命は奪われ、伸介は社会的信用を失ったのだ。馬鹿にも程がある。あの時の感情をぶり返しそうになったが、春美がこれまでしてくれたことを思い出し、気持ちを抑える。春美は彼を訴えるだろうか?いや、彼女はもうそんなことはどうでもいいと言うだろう。僕はテレビを消す。
小腹がすいたのでキッチンに向かい、何かないかと冷蔵庫を開ける。中に覚えのない鍋が入っている。取り出してみると、それはみそ汁だ。昨日の残り物だ。少し臭いを嗅いでみて、問題がなさそうだったので火にかける。出汁の良い香りがただよってきたタイミングで火を止め、お椀によそいテーブルへ持っていく。椅子に掛けると両手でお椀を持ち一口すする。僕は驚きもう一口すする。箸を使って具をむさぼる。大根と豆腐。昨日僕が作ったみそ汁は、確か豆腐と白菜のみそ汁だった。間違いない。絶対に忘れることのないこの味、母が作ったものだ。途端にさまざまな記憶が頭の中をよぎる。母の笑顔と父の暴力、背中のあざと母の平手打ち、夏美の笑顔と鼻歌、刑事の態度と伸介のうわの空、僕の中の母と春美の演じる夏美、そして涙。舌の上を滑り、食道を降り、胃に到着する一杯のみそ汁が、そんな記憶たち総て洗い流してくれる。
「母さん、ありがとう……。旨いよ、みそ汁。」
僕は心の中の母親に対して感謝の気持ちを口にする。感情のコントロールが出来ず、ボロボロと涙が溢れてくる。
たった一杯のみそ汁が、こんなにも人間を泣かせるものだろうか。そう、たった一杯のみそ汁は、こんなにも人間を泣かせるものなのだ。
一年後。僕は夏美の墓の前にいる。じっと目を閉じ、手を合わせる。ゆっくりと目を開ける。容赦なく照りつける太陽にしかめ面になる僕の頬を、柔らかい風が撫でていく。おもむろにバックから花を取り出すと、それを夏美の墓に飾る。
「向日葵ですか?」
後ろから話しかけられ僕は振り返る。
「そう、向日葵。花言葉は、いつもあなたを見つめています。」
と、春美に教える。
「姉さん、きっと喜ぶと思います。」
何も答えず僕は墓石の前にしゃがみこみ、目をつむってもう一度手を合わせる。同じように春美が隣にしゃがみこむ。ゆっくりと目を開けると、僕は春美に提案する。
「ねえ、花火大会に行こうか?」
「え?」
不意をつかれ戸惑う春美。
「花火大会。」
「……。」
「クライマックスに、世界一大きな一厘の向日葵が咲く花火大会があるんだ。夏美にみせてあげたい。」
春美は少し黙っていたが、
「はい、行きます!!」
と、言う。生暖かい夏の風が僕らの横を通り抜け、向日葵の花をそっと揺らす。
夏美の笑顔に似ていた。
-END-
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